ディスられる立ち食い蕎麦屋

私は蕎麦が好きだ。普通の蕎麦屋から立ち食い蕎麦まで食べる。蕎麦屋さんによって色々な特徴がある。立ち食い蕎麦でもそれは同じだ。

ある時、立ち食い蕎麦をすすっていると、隣の男性2人組の話が聞こえてきた。

 

男性A:この蕎麦ダメじゃない?

男性B:なんで?

男性A:だって蕎麦がなってない。

男性B:どこが?

男性A:まずは蕎麦粉が悪い、〇〇(蕎麦の有名高級店)と比べたらダメだな。そして・・・

 

男性Aはとめどなく、そして淀みなく話す。男性Bはそれをただ聞いている。

そもそも立ち食い蕎麦と高級店の蕎麦を比べるのは間違っている。立ち食い蕎麦屋さんは頑張っている!限られた条件の中で頑張っているんだ!だから我々は蕎麦を安く食べることができる。吉野家の牛丼を食べて今半と違う!と言っているのと同じだ。吉野家には吉野家の良さがあって、今半には今半の良さがある。野球で言えばプロでも通用しそうだけど肩を壊した中学校のエースとプロ野球選手の球団のエースを比べるようなものだ。

実力がないのではない、戦う条件が違うんだ!と思って聞いていた。

店主も聞こえているのか、少し嫌な顔をしている。それはそうだ。店主はプロで通用しそうだけど肩を壊した中学校のエース状態で戦っているわけで、それを理解してくれないのは悲しいのだと思う。

男性Aの蕎麦講義はまだ続いている。男性Bは黙って聞いている。

ん!?男性Bの様子が少しおかしい。これはまるで桃鉄キングボンビーになるのではないかと思うような様子だ。そんなことにお構いなしに男性Aは話を続ける。

そして、遂に男性Bは口を開いた。

 

男性B:だったら立ち食い蕎麦食べなきゃいいじゃん。

男性A:・・・

 

そして店内に静寂が訪れた。

立ち食い蕎麦で高級店と比べる人ってどうなの?と思う出来事でした。

男性Bよ!君は偉い!